世界人口10億人一定化計画

2007年の世界人口は65億人。地球はあまりにも混雑しすぎだ。

環境破壊、都市過密、食糧危機、資源危機、エネルギー問題・・・などなど、多くの問題が増えすぎた人口によって引き起こされている。

それらの問題に対する処方箋を出していくのもひとつの手であるが、人口を減らしてしまうことでそれらの解決を図り、さらに土地・資源・食糧などの取り分を多くすることで豊かな生活を目指そうというのが、今回のテーマだ。


理想的には、遠い未来には人口を数万〜数百万まで減らして自然界に地球を戻すようにするべきではあるが、ひとまず現代的な繁栄と豊かさを両立させるレベルでは10億人程度が妥当と見る。

「げっ、55億人も減らすのか? そんなの無茶だ!」という声が聞こえてきそうだが、数百年もかければこれはかなり容易に達成されてしまう。

実は、毎年の人口減少率がわずか1%であっても、256年も続ければ人口は現在の7.6%にまで減少するのだ。今の人口が65億人だから、だいたい5億人になる計算だ。

これではむしろ減りすぎなぐらいであり、望みの10億人には約180年で到達する計算になる。仮に今すぐスタートすれば、22世末にはに計画が完了してしまう。粛清なんて面倒なことをしなくても、子供を生む数を減らすだけで十分である!

ちなみに、これを512年間続ければ人口はなんと3800万人まで減る。これで驚くなかれ、1024年も経てば地球は22万人の「村」になる。31世紀の地球は、高度な科学技術を持ち、物的にも精神的にも豊かになった人類が地球の大自然とともに共存する世界なのかもしれない。


さて、この政策を実行してみるとして、人口減少の影響は心配されるところである。とはいえ、これからの日本の人口減少率がだいたい0.6%だから、減少率1%でもさほどきつくはない。全世界でそれが起こるとなっても、資源と土地に変化は無いためその取り分は年々増えるし、人間が消える分の労働をある程度まで機械でまかなうようにすれば労働力・生産力もさほど問題は無い。輸送に関しては、自家用車のおかげでこの点は無問題である。(これは前のアイデアとは矛盾するように見えるが、自家用車の廃止は現状の「人口爆発社会」という前提の上での急務であって、他方、公共輸送の整備が困難な少人口社会では自家用車は必須ツールである)

つまり、実体のある部分に関する限り、地球と人間生活は豊かになる一方なのだ。しかし、この人口減少政策の一番の壁は実体の無いバーチャルなものにある。

その壁とは、今の世界を支配する市場経済だ。このシステムは拡大し続ける社会が前提になってるから、現状のまま突入すると大混乱は避けられない。これは相当徹底的にシステムをいじって何とかしないといけない。逆に言えば、この点さえどうにか解決してしまえば、静かな地球と豊かな生活は目の前なのである。