北アルプス立山スキー山行 5/1・1日目後半(室堂到着・雷鳥沢滑降)

室堂9:05→雷鳥沢10:10/12:00→スキーデポ地点14:15/14:25→剣御前小屋14:35/14:45→スキーデポ地点14:50/15:00→雷鳥沢15:15


抜けるような青空のもと、バスは雪の大谷を抜け、室堂ターミナルに到着した。

にしても・・・さ、寒いw 標高2400mはやっぱり違うw


さあ出発準備だ。行動着に着替え、スキーとブーツをケースから取り出して、その他荷物を整理し、スキーケース・ブーツケースをロッカーに入れる。

室堂山荘付近まで少しだけ登れば、雷鳥沢までは滑ってアクセスできるので、登山靴はザックにくくりつけ、スキーブーツで出発することにした。春合宿以来、1ヶ月ぶりのスキーブーツだ。ちなみに水は雷鳥沢まで我慢することにして持たなかった。

出発直前、ターミナル内で大きなはかりを発見したので、恐る恐るザックを載せてみると・・・

28.5kg

はい、、昨年8月の26kg(涸沢)を大幅に塗り替えて、最高記録更新ですw

しかも、実際にはコレに加えて、スキー(6.5kg)とブーツ(4kg)を装備として持っています。ブーツは履いているので見逃すとしても、合計重量は

35kg!

・・・もうバカです。まぁ、これを担ぐのは行きの30分と帰りの1時間半だけなんですけどねw


はい。


そして、ターミナルから出ると、外は一面の雪景色と雲ひとつない青空! あまりにも完璧すぎて、サングラスがないと目を開けていることすらままならない。


スキー先端に空けておいた穴に細引きを通し、ゴムバンドでビンディングを上げ、細引きはカラビナでザックの後ろにパチン。これでスキーを引きずって移動することができる。

室堂山荘まで10分ほどのゆるやかな登りをこなせば、ここからは滑って降りるだけである。細引きとゴムバンドを外し、ビンディングバツンと踏みつける。う〜ん、この感触!w

春休みは毎日スキーで仕事をやってるぐらいなので、スキーには自信アリ! ・・・とはいえ、30kg近い荷物を背負って滑るというのは初めての体験。簡単に言えば脚にかかる負担は普段の5割増しになるわけだ。(ゲレンデの緩斜面を子供をおぶって滑ったことなら何度もあるがw)


最初はブルドーザー道をそろそろとボーゲンで滑っていく。5割増しの負担はなかなかのもので、ブレーキをかけるのがものすごく大変! 足がガクガクする・・・w

適当なところでブルドーザー道を外れ、ノーシュプールのフラットバーンを滑っていく。朝イチなのでアイスバーン状態だが、フラットなのでターン自体はしやすい。(ここでポール練習やったら気持ち良いだろうなぁw)

ザザザ〜ザラザラ〜〜と音を立てながら、ゆっくりと雷鳥沢へ向けて滑り込んでいく。そして、キャンプ場の手前まで到着。

ここからキャンプ場へはほんのわずかに登り返さなければならない。せいぜい標高差5m程度と思われるが、これが思いのほかしんどかった。ゲレンデのつもりでカニ足登行をやったのだが、荷物が重いせいで全然足が上がらないという苦しみ・・・w

それでもまぁなんとか雷鳥沢キャンプ場に着いた。当然ながら雪「しか」なく、去年の夏に来た時の面影はまったくない。おそらく地面は3m〜5mほど下だろう。

まずはしっかりと鼻をかんでリフレッシュし、適当な場所を選んでスコップでザクザクと整地をする。このとき、雪面がフラットだと腰が高くなって辛いので、腰の部分だけを少し掘り下げて、背中と腰にフィットするように加工してみたところ、実に快適な寝床が完成したw



鼻水と強い日差しに苦しめられながらも、テントは無事設営できた。去年の涸沢と同様に銀マットとエアマットを二重敷き(底冷え対策)して、他の荷物も全てテント内に運び込み、荷物を整理し、一息つく。

(ちなみに、テント設営料は1泊500円、2泊以上一律1000円。これで水場とトイレ代も込みです。安すぎっwww)


もし天気が曇りだったら、このままぶっ倒れて寝ていたところだろう。しかし、この晴天、テント内は熱がこもってしまうので、おちおち寝ていられるはずもなく、第一こんな最高の天気の中登らない方がどうかしている。そして決断した。


・・・さあ、行こう。立山の一発目は別山乗越からの雷鳥沢滑降だ。

管理棟で水の補給とトイレを済ませし、日帰りの基本装備に加えて、ティッシュをたっぷり持ち、準備を整えて出発する。早くも空腹感が出てきていたが、行動食をかじってお茶を濁す



先行者たちは既に多数おり、トレースは雷鳥坂夏道の南隣の尾根についていたので、それにならって登ることに。足回りは登山靴とストックとし、スキーブーツはザックに入れて担ぎ上げることにした。アイゼン・ピッケルは携行せず。

ま、ここからはひたすら登るだけなので書くべきことは少ないw 写真を数枚載せておきます。

ここで思ったことは、

  • 細引きでひきずっているスキー板がしょっちゅうひっくり返り、ビンディングが雪面に引っかかるので、そのたび手動で直さなければならず、非常にストレスだった(翌日には解決法を思いつくのだが・・・w)
  • すでに雪が緩んでおり、踏み出すために沈んでしまうので体力の消耗が大きい。
  • 鼻水と睡眠不足と空腹感と雪の緩さがあいまって、ペースがなかなか上がらなかった。
  • 5分おきぐらいに鼻をかんでいたw 息もぜいぜいしていた。
  • そのせいで剣御前小屋が異様に遠く感じたw

てな感じ。



右後方には立山連峰

ひぃひぃ言いながらも尾根を登りきると、そこがちょっとした広場になっている。この先は両側が切れ落ちた雪稜となっているため、スキーを引きずるスタイルでは進めない。

別山乗越からの剱岳はぜひとも見ておきたいので、スキーをここにデポして、別山乗越へ向かうことに。

北側(立山川側)は急な崖なので、トレースは比較的斜度のゆるい雷鳥沢側をトラバースする形になっていた。岩は全く出ていないので落ちてもケガはしないだろうが、ひとたび滑ればおそらく100mぐらいは落ちるはずなので、滑落した場合、とぼとぼと登り返すという屈辱が待ち受けているw



例のトラバースを振り返る。バックに大日岳。


(雪はゆるいのでアイゼンはどうでもいいが、気持ち的にはピッケルが欲しいかも。せいぜい20mほどの区間で、普通に歩けば落ちない場所なので、そのためにわざわざ持ってくるのはばかばかしいですけど・・・)

トラバースを通過すれば、小屋前の数十mは夏道が露出している。岩の上を歩くのが逆に新鮮に感じるw

そして、別山乗越・剣御前小屋に到着。

ここからほんの少しだけ剣沢方面に移動すると・・・




剱岳様降臨!


スキーデポ地点に戻れば、さぁ、いよいよ滑降タイムだ。ザックに上に座ってゆっくりと靴を履き替え、足がスキーブーツに慣れるまでしばらく休む。

そして、標高差400mの滑降が始まる。左方向へトラバースして雷鳥沢へと滑り込む!



雪は適度に緩んでおり、春のゲレンデを滑るのとあまり変わらない。が、違いはそのスケールと人の少なさ! 登っている人がたくさんいても、リフトでガンガン回せるわけではないので、雷鳥沢のような人気のある斜面であっても基本的に人はいない。そしてどこでも好きなところを滑れてしまうという驚き。生粋のゲレンデ族としては、これが一番のカルチャーショックだった。

楽しい!

何度か止まりながらじっくり賞味したつもりだったが、あっという間に斜面の下まで降りてきてしまった。歩けば1時間はかかるところを、わずか10分で・・・ スキー場にいるとなかなか実感できないけど、やっぱスキーってすごいや。



テント場へ戻って、滑ってきた斜面を振り返る。


睡眠不足と鼻水でだいぶパンチが効いている。加えてたまらない空腹感w 今日は大盛りのパスタを食べて18時就寝!と決意する。

ちなみに、日焼け止めはしっかり塗ったつもりだったが、耳だけうっかり塗り忘れてしまい、顔はほんのり焼けたかな?という程度だったが、耳だけが真っ赤になっていた。やってしもた・・・orz

行動着から寝巻きに着替えて、さあいざ温泉へ!

8月に来たときは雷鳥沢ヒュッテに行ったので、今日はロッジ立山連峰に向かう。が、普段なら軽快に歩けるはずのところが、一歩一歩牛歩でないと進めず、実に辛い。ま、睡眠不足と鼻風邪で軽快に歩ける方がおかしいですけどw

雷鳥沢周辺の入浴施設は、5分圏内に雷鳥沢ヒュッテとロッジ立山連峰があるほか、Tバーリフトを使えば、雷鳥荘が同じく5分圏内、みくりが池温泉も20分圏内になる。(無雪期だとそれぞれ40分、1時間)(温泉ではなく「入浴施設」としたのは、雷鳥沢ヒュッテは沸かし湯と表示しており、ロッジ立山連峰も沸かし湯疑惑があるためw) 結局最終日までに全て回ったw

温かい(というかちょっと熱いw)お湯でしっかりと温まり、出た後は空腹のあまり柿の種を衝動買いしてしまったw

帰り道は下り坂なので比較的楽だが、それでも体が重くて前に進まないw


テントに戻っても時間はまだ16時半を過ぎたぐらいだが、早々と夕食とする。

考えるのが面倒だったので、今回はパスタ主軸の食料計画を立てていた。ソースはいろいろな種類を持ってきていたが、体調がすぐれないときほど好きなものを、ということでお気に入りの明太子をチョイス。

パスタは小さいナベに200g分を無理やり押し込んで一気に茹でてしまい、ソースも当然2皿分をかける。スープはポタージュを用意。



冷たそうですけど、意外とあったかいままですw

すきっ腹にパスタは大変なごちそう。さすがに200gのパスタで大満足だったw いつもは150gに1皿分のソースをかけているので、少し辛く感じた。ちょっとヒリヒリしたw

食器を拭くときになって、パンを忘れたことに気づく。しまったぁ〜w 去年編み出した良い知恵だったんだが、登山シーズン初頭ゆえに忘れていたw


食事が終わっても、時刻はまだ17:45。日はまだ沈んでいないが、傾いてきたおかげでテント内でも快適に過ごせるようになってきた。・・・さあ、寝よう!

・・・その後は「ぶっ倒れる」という表現がぴったりだった。


テント内の整理などをさっさと済ませ、ダウンジャケットを着て、テントシューズも履いて、寝袋に入る。あ、暖かい・・・

睡眠不足、鼻風邪、そして登山特有の心地よい疲れ。テント内もまだまだ明るく、他の登山者たちの声もさかんに聞こえていたが、そんなことは気にならなかった。一瞬で眠りに落ちてしまった。