北アルプス立山スキー山行 5/5・5日目(真砂岳西面滑降)

雷鳥沢7:20→大走り上部(スキーデポ)10:15/10:20→真砂岳10:35/10:40→大走り上部10:55/11:10→雷鳥沢11:20


5時起床(たぶんw) 朝食は辛ラーメン。燃えるぐらい辛いw



日の出前。


出ました!


今日が実質的な最終日だ。雷鳥沢近辺で残された斜面は、真砂岳方面。今日は大走りの尾根づたいに登り、真砂岳直下から沢沿いに滑降する。

今朝もよく晴れていたが、これまでと違って風が出ていたし、次第に山には雲がかかっていてきた。天気予報どおり、このまま下り坂になりそうだ。雨が降らなければいいが・・・

撤収するパーティーが多い中、またしても雷鳥沢を出発する。



賽の河原の緩斜面をのんびりと登っていく。



山には雲がかかってきた。



後続にはツアー登山と思われる団体さんが。


最初はよく晴れて太陽が眩しかったが、大走りの尾根に取り付く頃にはすっかり曇り空になっていた。



大走りの尾根は、別山乗越や一ノ越方面と比べると断然トレースが少ない。が、昨日までに登った人がきれいな階段状のステップをつけてくれていたおかげで、快調に登ることができた。(この尾根の登り進行方向左側には大きな雪庇が張り出している。注意!)

尾根がちょうど90度曲がるところが平坦地になっているので、そこで休憩。(「大走り変曲点」と勝手に命名ww) 風は強いが、山基準では「並」な感じw 稜線には薄めのガスがかかっている。



「大走り変曲点」越しに大日岳を振り返る


ここからはまっすぐに真砂岳を目指す。真砂岳の標高差80mほど手前で雪が切れたので、ここでスキーをデポし、真砂岳をピストンしに行く。(流れ止めを起こし、さらにハイマツにカラビナをかけて板滑落防止w)

大走りは足場が悪いと聞いていたが、確かに砂っぽくて歩きにくい。スキーブーツではなおさらだ。何箇所か氷結している場所もあった。ソールが削れると来冬のスキーに影響するので、そろりそろりと歩く。



稜線に出ると、ごぉ〜っという強風とガスに包まれた後立山連峰が出迎えてくれた。道標と周辺の撮影を済ませ、そそくさと退散する。

スキーデポ地点まで戻って、いざ滑降準備。これが最後の一本だ。

大走り尾根からトラバース気味に下り、北西側の沢へ滑り込む。




右に曲がるとハーフパイプ状の斜面となり、その中を左右に移動しながら滑っていく。もう一度左に曲がると、賽の河原の広大な緩斜面に出る。雪は適度な柔らかさで、もしかすると3月末の普通のゲレンデより滑りやすいかもしれない!


今シーズンのラストにふさわしい一本だった。


満足感とともに、テントへと戻った。時間はたっぷり余っているが、風も出てきて天気は下り坂。今日の残りの時間はのんびりする魂胆だ。



ほとんどのテントが撤収し、すでに閑散としていました


紅茶を沸かしたりしてテント内でゴロゴロとする。音楽を聴いたり、これまでのことを振り返ったり、地図を眺めてみたり。わざわざ立山に来てまでこのぐうたら・・・ これも長期滞在ならではの贅沢。短期滞在だったら絶対滑りに行くわなw

で、ぐうたらに飽きたら雷鳥沢ヒュッテのお風呂に。さっぱりする。

前回は夕食のためにそそくさと帰ってしまったが、今日はあがったあとにゆっくりビールを飲みながら本を読む。山と渓谷のライブラリーから面白そうなやつを持ってきて、昨日宴会で余ったからともらったビールと、売店で買ったおつまみをつまむ。お前はおっさんか!(食べ物の持ち込みは原則禁止です。ただ、例のビールはここで買ったものらしいので無問題かと・・・w)

ビールは実は大嫌いで、普段は日本酒やワインを好んで飲んでいるのだが、このときばかりは格別にうまかった。あ〜、やっぱり山って恐ろしいw(違)

山と渓谷は、北アVS南ア特集が面白かった。そんな僕はどちらかというと南ア派ですw


で、すっかり良い気分になってテントに戻ったわけだが、この酔い具合でまともに夕食を作る気にもなれず、「もぉいいや〜」と寝袋にもぐりこみ、そのままぐーぐー眠り始めてしまった。酔っ払ってはいたが、我ながら「やれやれ」と思ったw



次に気がつくと、周りはすっかり暗くなっていた。たぶん9時ぐらいだったかな? まったく、すっかり呑まれてしまった。やれやれ。

夜になって風は一段と強まっていた。寝る前はフライシートがパタパタと心地よい音を立てる程度だったが、今は強い風がテントに吹き付けてビュービューと音を立て、雨がパラパラとフライシートを打っている。風はともかく、雨量が少ないのは助かった。

後で知ったのだが、このときは最大瞬間風速20m/s、つまりちょっとした台風並の風が吹いていたそうだ。が、テントスペースを少し掘り下げて、割り箸ペグを深く埋めておいたおかげで、テントは十分安定していた。(テントは下から風をはらむと簡単に飛ばされてしまうが、上から吹き付ける風には滅法強い)

既にたっぷり寝てしまった上、風がうるさいのでなかなか寝られないので、MP3を出してまたもやゴロ寝する。


・・・それにしても腹が減った。なんせ夕食を食べてないのだから当然だ。今夜は本来ならカルボナーラパスタを食べるはずだったのだがorz

だが、調理は面倒だ。

だが、おいしいパスタが食べたい。

だが、こんな夜中に調理なんて。

だが、腹が減った。

だが、・・・

・・・


決めた。

俺はパスタを食べる!www


で、前室は風でフライシートが揺れていて危険なので、テント内で調理をすることにw テント内で調理をするのはよく考えたら初めてだった。(もちろんこんな非常識な時間帯に調理するのも始めてw 周りのテントはほとんど撤収してテント場はガラガラだったので、騒音の点で躊躇する必要がなかったのは大きいですw)

きちんと隙間を開けて通気性を確保することと、コンロ周辺のものを遠ざけることと、そして、絶対に(繰り返すが、絶対に!)鍋をひっくり返さないように気をつければ、いつもの調理とさほど変わったことはない。

風が吹くたびにテントの壁が大きく揺れ、そのたびに湯気も一緒に揺れるちょっとオモシロい現象にも出くわしたが、真ん中で調理をしているのでまったく影響はない。とにかく鍋から手を離さないように・・・

夜食でたくさん食べると胃腸に悪いので、パスタの分量は律儀に100gに抑えた。


で、パスタ完成とともに、入れ替わりにランタンを灯す。暖かい光がテントいっぱいに広がる。



テント内の様子。写真では何事もなさそうですが、絶え間なく風がテントを揺らしてます。

もう、まったくもっておバカですwww 誰もこの愚行を止めてくれないという悲しさwww


そして、パスタを口に運べば、瞬く間にお腹が満たされていく幸福感・・・ 風の強い夜だからこそ、ソロテントの快適性が身に染みる。


かくして、すっかり目が冴えてしまったわけである。

そして、トイレに立つために外に出ると、先ほどまで雨だったものが、なんと雪に変わっていた。雪が降るかもしれないという覚悟はあったが、実際に5月に雪を見るのは初めてなのでちょっと感動した。ただ、雪は未だに緩んだままなので気温はプラスのようだ。

しばらくすると雪もやんだ。


・・・で、


写真撮影ww

曇り空で良い写真は撮れなかったんですけど、風に吹かれながら夜中のひっそりとしたテント場でシャッターを切るのは、なんだか妙な気分でしたw





さすがに1時ぐらいには寝たはずですw