卒業式 / 卒業生代表挨拶 原稿全文

今日は、大学の卒業式でした。

いろいろなご縁があって、理系学部生の卒業生約1700人の代表として、代表挨拶を述べる機会をいただきました。


「短期的な危機に惑わされることなく、科学と技術の可能性を信じ、それを発展させていく使命を帯びた立場として、私たちは社会で活躍していかなければならない」というテーマのもと、時には激しいジェスチャーも交えながら、普通の「答辞」のイメージとはまた異なった形でのスピーチとなりました。

さすがに、山場を迎えたときには、「ええぇ・・・!?」という感じで、会場の人々がどよめく一幕もありました。しかし、月並みなつまらないおはなしだけで済ませるぐらいなら、たとえ多少危ない内容であっても、聞いている仲間たちの心に響く内容を届けたい、という信念のもと、この8分間のスピーチに全身全霊で臨みました。その努力の甲斐あってか、最後には会場全体から大きな拍手をいただくことができました。


仲間のみんな、保護者の皆さん、そして大学の関係者の皆さん、本当にありがとうございました。



せっかくなので、ここにその原稿を全文掲載したいと思います。(一部項目は伏字にしております)

調子に乗って写真も付けちゃいました。なんかエライ怖い顔してますけど・・・w(ちなみにこの画像は、本物のhayto→ライブ中継の映像→コンデジのムービー機能で撮影→PC上で動画を止めてPrintScreen→クロップ、という超劣化行程を経ておりますw)

もしよろしければ、以下より御覧くださいませ。



#個人的な「今年のまとめ」的なことは後日書きます!






寒の戻りも和らいで、春の香りが漂うこの良き日に、このような式典を催していただき、私たちの門出を祝してくださることに、卒業生一同、心より厚く御礼申し上げます。

2007年4月の盛大な入学式から早4年、振り返れば、たくさんの思い出がよみがえってきます。〜〜〜〜中学校から〜〜〜〜学園の一員として過ごしてきた私にとっては、10年が経つことになり、より一層深い感慨を抱いております。



大学入学とともに、私は父と同じ電子工学の道へと進みました。入学当初は、日々押し寄せる幾多の数式や理論に圧倒されるばかりで、広大な海原に一人放り出されたような心細さを感じていました。そんなときに私を指南してくださったのは、多くの先生方でした。 つたない質問にも先生方はいつも親切に答えてくださり、時には数時間にわたる議論にもお付き合いいただきました。

3回生からは在学生でありながら物理駆け込み寺の講師として、後輩たちに学問を伝えていく立場も経験しました。これまでに積み上げてきた学業の全てが、今の私の支えとなっています。

課外ではライブラリースタッフとして活動し、職員の方々とともに仕事をするという責任感の中で、学生の視点から図書館サービスの向上に取り組んできました。他学部の先輩方や後輩たちと知り合う機会を得ることもでき、多くの同級生たちとも大切な思い出を共有することができました。

また、趣味の一つとして日本各地の山に登り、厳冬期の日本アルプスにも単独で挑戦しました。 厳しい冬山の自然と一人で向き合いながら、自然とは何か、文明とは何か・・・ そうして自問自答を繰り返した経験は、これからの人生の中でも必ず生きてくるものと信じています。

学業から趣味まで、さまざまなことを経験し、このような充実した学生生活を送ることができたのは、大学の関係者の方々、特に学科の先生方、図書館の職員の皆様、同級生・先輩・後輩、そして両親を含む全ての方々のご支援のおかげであると、心から感謝しております。



今、世界は多くの問題を抱えています。 数々の自然災害や戦争、そして貧困が人類を苦しめています。日本においても、東北と関東を未曽有の大震災が襲い、今も予断を許さない状況が続いています。

しかしながら、長い目で見れば、人類は一歩一歩着実に前進を続けています。 逆らえない自然の脅威に何度直面しようとも、私たちの文明が発展を続ける限り、未来は常に明るく希望に満ちているものと、私は信じています。 そして、科学と技術の進歩こそが、私たち人類の前進を支えていくのではないでしょうか。


技術者を目指す皆さん、
科学者を目指す皆さん、
経済や法律の世界へと踏み出す皆さん。


新しいものを生み出す先駆者として、
人類の英知の結晶である学問を究める者として、
人類を守り、社会を支えていく一員として、
私たちの持てる力を最大限発揮していこうではありませんか。



皆さん。

これからの社会で活躍していく、ほかでもない私たちこそが、未来への希望を生み出す、大きな使命を、担っているのではないでしょうか!


皆さん。

私たちは、東北関東大震災という過去に例を見ない危機に対して、今日この場で無事に門出を迎えられることに心から感謝するとともに、たとえわずかなことであっても、一人一人の出来ることを見つけ、冷静に行動していかなければなりません。


私たちは、スタートに立っている、今この瞬間から、すでに大きな責任を背負っているのです。



「理想は高く 姿勢は低く 大地に足を踏んまえて 一歩ずつ 前へ前へと進もう」
名誉総長末川博先生が残されたお言葉です。


私たちは、それぞれが目指す理想に向かって、日々謙虚に取り組んでいかなければなりません。
今日という門出の日を確固たる大地として、この世界に一歩ずつ私たちの足跡を刻んでいきましょう。


この一生だけではたどり着けないとしても、
百年後、そして千年後の未来へ向けて、
私たちの、願いを、引き継いでいきましょう。


最後になりましたが、〜〜〜〜大学の今後益々のご発展と、皆様方のご健勝、そして被災された方々のご無事を心より祈念し、卒業生を代表して私の挨拶とさせていただきます。


2011年3月21日
卒業生代表
〜〜〜学部 〜〜〜〜〜学科
hayto