残雪期の山 ダイジェスト

就活終了後の山をダイジェストにてお伝えいたします!

今回は、残雪期にあたる4月・5月の山行についてご紹介いたします!

  • 4月中旬 白馬ステイ&白馬岳敗退

本命からの内定をもらった翌週、すぐさま白馬へと出かけた。

木曜日は移動日、金曜日はHakuba47五竜でゲレンデスキー、土日に白馬岳へとアタック、月曜日は八方尾根で再びゲレンデスキー、という内容とした。また、火曜日には消化試合(・・・と思っていたが後に思わぬ展開を見せることになった)某社の面接を東京で受け、大回りのルートにて帰宅した。

宿は「白馬風の子」に4泊にわたってお世話になった。

初日は就活の緊張感がまだまだ抜けず、睡眠不足でパンチの効いた一日だった。さらに、季節外れの寒波が襲来し、春のザク雪とポカポカ陽気を期待していたはずが、終始気温が低く、アイスバーン気味のゲレンデを滑る一日となってしまった。

土日の白馬岳は、前夜に爆睡したおかげもあって、疲れもすっかり取れた良いコンディションで臨むことができた。強風とアイゼン故障のために山頂は断念したものの、大快晴と大展望のもとでの山行となり、雪の稜線上でのテント泊、そして雪煙が巻き上がる中での真っ赤な朝日を拝むこともでき、大変素晴らしいものとなった。

ラストには、白馬乗鞍岳から栂池ベースまでの標高差約1500mをアルペンスキーにて滑降! 山麓はすっかり暖かな春が戻ってきており、激しく雪煙の巻き上がる稜線を見ながら、ぽくぽくとお散歩を楽しんだ。

月曜日は、大好きな八方尾根でのスキー。ポカポカ陽気、ザクザク雪、まばらな客、午前のクリーミーなピステンバーン、午後の軟らかなコブ斜面。全てが揃った一日だった。


  • 5月上旬 唐松五竜縦走

(この山行については、すでに記録をアップ済みです。http://d.hatena.ne.jp/hayto/20100508

カーター氏とともに、自分にとっては初めての本格的なパーティー山行となった。

GW後半に、八方尾根〜唐松岳五竜岳〜遠見尾根というルートを1泊2日で歩いた。初日はやや雲の多い天気だったが、核心の2日目には暑いほどの無風快晴に恵まれた。つい2週間前に厳冬期並みの暴風に見舞われたことを考えると、やはり山の天気の変化がいかに激しいものかが実感できる。

本格的な雪山(いわゆる要ピッケルの山)が初めてだったカーター氏にも満足してもらえたようで、何よりだった。


  • 5月中旬 聖岳東尾根

春の南アルプスは、かねてから狙っていた山であった。最初は6月上旬ごろに南ア南部縦走にするつもりだったが、少し気が変わって、まだまだ雪の豊富な5月に聖岳東尾根というバリエーションルートに挑戦することにした。

まずはさわら島まで、夜行バス、路線バス2本、徒歩1時間、送迎バスという、丸一日かけての壮大なアプローチが待っている。山に深く入るにしたがって、新緑はどんどん鮮やかになっていった。

本編の登山は、さわら島〜東尾根〜聖岳〜聖平小屋〜さわら島、という周回コースを2泊3日で歩いた。

結論から言うと、バリエーションの東尾根よりも、一般路の聖沢登山道の方が、よほど難しかった。

東尾根は、樹林帯の道はやや足元がゆるいものの、マーキングも豊富で迷うことはなく、上部は積雪豊富でアルペンムード満点の雪稜が続いており、歩きやすいだけでなく、まさに登山らしい登山を楽しめるルートであった。やはり、積雪期限定ルートとして推されているだけのことはある。なお、テント適地は白蓬の頭の少し先が最終になり、そこを過ぎると奥聖を越えるまではシャープな雪稜が続くため、適地はない。

一方、聖沢登山道は、上部が主に北面についたルートであったため雪が多く、かさ上げ効果によって登山道がヤブ状になる上、夏道前提のためにマーキングも少なく、しばしばルートから外れてしまう。特に、トラバース地帯は特に悪く、沢筋をトラバースした際に、対岸にあるはずの登山道が見つからず、読図をしながらヤブの中を歩いているうちに、テープや切通しに出会って安堵する・・・という流れが繰り返された。また、一箇所だけヤバめの雪壁のトラバース(傾斜60度以上、その下は岩の露出した深い沢)があったため、アイゼンとピッケルのフル装備に切り替えて、カニの横ばいで通過する場所もあった。2000m地点から下部の道は、100%夏道が露出しており、まぶしい新緑のシャワーを浴びながら、快適な下山となった。

下山日は、井川の田代温泉にある「民宿ふるさと」で、温泉と山の幸料理と地酒を堪能した。もちろんこんな時期に他の宿泊客がいるはずもなく、のんびりと山の疲れを癒し、ご主人とのおはなしを楽しんだ。

ラストには、大井川鉄道のトロッコとSLが待っている。2年前の秋に乗って感激して以来、再訪の機会をうかがっていたが、いよいよそれが実現した。キィーキィーと金属音を立てながら渓谷を行くトロッコ、旅情満点の旧型客車を使ったSL急行・・・ 旅の締めくくりに、これほどふさわしいものはない。

金谷駅で引き上げていくSLと客車を見送りながら、旅の終わりの充実感をかみ締めた。


この夏バイトする小屋への挨拶、と称して、涸沢に遊びに行った。

遠征=テント、ということが長く続いており、小屋泊まり装備で山に向かうのは、初アルプスの白馬岳以来、実に約4年ぶりとなった。手土産の一升瓶を入れても、15kg程度しかないというのは、驚きの軽さだ。

涸沢小屋には、居候扱いで軽く手伝いをさせてもらいながら、2泊滞在させていただいた。夜は食卓を囲んでお酒を呑み、昼はオフシーズンの誰もいない穂高の山へでかけた。

北穂には先輩2人と一緒に登り、小屋番ペースの早さにぜぃぜぃしてしまう一幕もあったw その日は午後が丸ごと空いてしまったため、スタッフの方たちとまったりしたり(なんといっても一番の閑散期だから仕事がないw)、いくつか仕事を教えてもらったりした。

奥穂は、ちょうどヘリ日で皆さん多忙だったこともあり、単独で登った。その後、スタッフで一人下山になる方がいたため、一緒に残雪を猛ダッシュして本谷橋まで下り、早歩き気味で横尾まで。そして、横尾からはウラワザの恩恵にもあずかり、涸沢から上高地までたったの2時間で着いてしまったww

上高地に着いた後は、キャンプ場に預けておいたテントを張った。おなじみの小梨平だ。

翌日は鳥の声で目覚め、ゆるゆると大正池方面へとお散歩。新緑の上高地を存分に満喫した。帰りはもちろん平湯温泉にて立ち寄り湯。

小屋の方たちもとても親切で、働くイメージも持つことができた。夏はしっかりと頑張りたい。