『宇宙のランデヴー』

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))

またクラークです。彼の本は何冊読んでも飽きません。書いてる内容に科学的なごまかしがないのは素晴らしいことですし、むしろ、SF小説を読んでいろいろ学ばせてもらっているぐらいです。このところ急に物理(特に力学)に詳しくなりました。下手な教科書よりも勉強になります。

この小説のテーマを一言でまとめると、異星の彼方から飛んできた巨大な「円筒」の話です。22世紀中葉、高速で太陽系に進入してきたその物体は「ラーマ」と名づけられ、宇宙船エンデヴァー号がランデブーします。とうとう異星の文明と接触する瞬間がやってきたのか、と思いきや、実際に内部に入ってみるとそこは真っ暗な空間で生物の気配は全くありません。しかし、照明弾を打ち上げて巨大な円筒の内部を照らすと、多くの人工物が建てられていることが分かりました。ラーマ人の意図を探るべく、探査隊は人工世界の壮大な探検をスタートします。そして、暗闇の探検を続けること数週間、太陽に近づいてゆくラーマに異変が起こり始めます。ラーマと人類の運命はいかに?(この先は書きません。spoilになりますので。)

最後の終わり方は「3001年」並みにあっけないものでやや残念でしたが、所詮人類のレベルとはこの程度のものであり、ラーマ人に相手にしてもらうためにすら、途方もない努力と進歩が必要なのでしょう。

どうもSFを読むと、あまりにも壮大なゆえに畏怖の念にかられて感想が書けませんね。。。

この本は今も売っているので、特にスペースコロニーや異星文明などに興味のある人にオススメです。