数学セミナー

昨日の夕方から今日の昼にかけて、数学セミナーという行事に参加してきました。

数学セミナーとは、うちのコースの課外講座のひとつで、系列大学の中に一晩泊り込んで数学の難問を解くものです。4年前に有志生徒がスタートして以来毎年数回行われるようになり、今では生徒から絶大な人気を誇る恒例行事となっています。希望者参加ですが、今回はコース所属の3学年約70人のうち、なんと50人ほどの参加者が集まりました。タイムテーブルはこんな感じ:

19:00 集合、班分け
19:30〜23:00 班ごとに分かれて問題を解く
23:00〜24:00 一旦休憩。お風呂など
24:00〜26:00 やる気のある人は問題続行、遊ぶ人は遊ぶ、寝る人は寝る
7:00 起床
9:00〜12:00 生徒による問題解説プレゼン

このスケジュールをどう感じるかはその人次第です(笑)

出題される問題は全部で16問あるのですが、その中から班ごとに4問が割り振られます。班員は4人なので、ちょうど1人に1問の問題が当たることになります。比較的簡単なパズル問題もあれば、東大や京大の入試問題や数学オリンピックの過去問などからの出題もあり、当日になるまで何に当たるか分かりません!

で、僕が担当したのは次の整数問題です:

\frac{10^{210}}{10^{10} + 3} の整数部分のけた数と、1の位の数字を求めなさい。

まず、ケタ数は少し計算すればすぐに分かります。しかし、1の位を求めるのには困難を極めました。

とにかく、こういう問題には「エレガントな解法」というものがほぼ間違いなく存在します。それは十分に分かっていました。にもかかわらず、「割り算は割り算だ!」ということで、ついつい「ゴリ押し計算」を試して大幅に時間を浪費してしまいました(今から考えれば、210桁の割り算なんかを人力でできるはずがないわけで・・・) その誘惑から逃れて真面目に解き始めたのは、なんと24:30のことでした^^;

たったひとつの数式に向き合っていじくり倒す試行錯誤の末、何とか26:00のタイムリミットまでに答えを出すことができました。解答はA4一枚にきっちり収まり、望んでいた「エレガントな解法」を導き出すことができました。そのときの達成感ときたら、本当に言葉には表現できないほどのものです! やっぱりコレこそが数学の素晴らしいところです。

ちなみに、この後、深夜の2時に大部屋に帰ってくると、まだ電気は煌々とついていてほとんど全員が起きていました。結局、自分もOBの大学生と話したりいろいろやっていたので、寝たのは結局3時半ぐらいだったと思います。中にはパソコンを持ち込んでゲームに興じる人々も・・・(ゲームの内容は想像にお任ry) これがうちのコースの人々のテンション。恐るべし・・・

翌日は解説プレゼンが行われました。16問のうち、ほとんどは生徒によって解答が提出されて解説が行われましたが、4問ほどは先生ですら解答が出ず、迷宮入りになりました(もはや恒例ですが・・・) 自分も、先ほどの問題の解法をみんなの前で解説させていただきました。

ちなみに、今回当たった問題は、先生いわく「東大入試から抜粋して難しくした問題だった」そうです。どおりで難しいわけですね・・・しかも合格するような人はこのレベルの問題を1時間未満で解くのですから、本当にすごいことです。今回の問題について言うと、最初からポイントを突いたスタートをすれば確かに30分でも十分解けますが、一回泥沼にはまるとなかなか抜け出せないので、実際にスムーズに解ける人はやはり少数なのでしょう。もっとも、まさか入試で210桁の割り算を試みる勇者はいないでしょうが・・・

ついでに、京大入試からそのままとってきたという問題も出題されていました:

tan1°が有理数でないことを証明せよ。

こっちの問題は他の生徒が解答を出したのですが、この後自分で再挑戦するつもりなので解答はまだ見ていません。どちらもかなり面白い問題なので、ぜひ皆さんも解いてみてください。何かあったらコメントまでどうぞ。

1番目の問題の答えを知りたい人はクリック↓
200桁
9
解法を知りたい場合はコメントへ。