教えることは学ぶこと

(就活には直接関係ないですが、長々と書いているうちに応用できそうな話になったので、カテゴリに入れておきますw)

さて、物理駆け込み寺で講師を始めて早くも3週目になりました。お客さん(後輩)や他の講師の方からもありがたい評価を頂いていて、チーフの先生から「今後コマ数増をお願いするかも」と言ってもらえました^^


1回生の時には個別指導の塾講師をやっていたことがあったのですが、こんどの相手はたった1学年しか違わない大学生。やっている分野もつい去年自分がやったばかりの内容で、教科によっては結構難しい課題について聞いてきたりするので、正直焦ります。(ちなみに、塾は夏の山と冬のスキーのハードルになったため辞めました。レギュラーで生徒を持つというのも重荷でした。)

だいたいの概念は覚えていても、さすがに細部は忘れてしまっているため、まずはお客さんの聞きたい内容とその人の実力を即座に把握した上で、まずは教科書をナナメ読みして自分自身が問題を解けるぐらいのレベルまで瞬時に実力を引っ張り戻してから、実際にお客さんに説明することになります。

なるべく双方向に話ができるように心がけながら(「で、この式を変形するとどうなる?」「ここの電圧はいくらになる?」などは定番w)、まずはイメージをつかんでもらうことを第一優先にします。もちろん裏紙は大量動員して、図を描きまくって、式も泥臭く一手ずつ展開します。

いろいろ話しているうちにより良い説明や別の角度からのアプローチが浮かんでくることも多く、とても多くの「気づき」を与えてくれる仕事です。

総じて、お客さんに「教えている」というよりは、自分が「学んでいる」という感覚のほうが強いです。(基本的に、自分が理解していることは他人に教えられることの必要条件なので当然といえば当然なのですがw)

とはいえ、全てがこんなにうまくいくとは限らず、お客さんの前で「う〜〜〜ん・・・」とうなってしまうこともしばしばですがw 反省点を見つけては改善を繰り返し、とにかくがんばっています。


さて、教えていて最も感じるのは、「イメージの欠如」です。

例えば、グラフを見て、そのグラフの縦軸と横軸が何なのか、あるいはそのグラフの形状の意味が何なのかについて、イメージを持てていない。言い換えれば、単なるの数式上の作業に終わっている。自分自身も純粋数学ではイメージが作れずに挫折した経験がありますが、電子系の内容はほぼ例外なく具体的なイメージを持つことができます。数式はそれを定量的に裏付ける手段に過ぎないわけです。


細かい知識は必ず蒸発してしまうものですが、コアとなる概念やイメージさえきちんと学んでおけば、あとは教科書から必要な情報を拾うだけで、蒸発してしまった細部もすぐに取り戻すことができる。さらに、全く初めての分野や、うっかりコアまで忘れてしまっていても、学び方さえ知っていればすぐに追いつくことができる。それを支えるのが、「イメージで学び、論理的に思考する力」と「無知と忘却を恐れない思想」である。・・・この感触をより一層確かなものにしています。