南アルプス南部縦走 9/5・6日目(聖平〜上河内岳〜横窪沢)

聖平小屋4:50⇒岩頭6:05/6:10⇒南岳6:45⇒上河内岳の肩7:15/7:20⇒上河内岳7:30/8:15⇒上河内岳の肩8:20/8:30⇒茶臼小屋9:45/11:35⇒樺段12:00/12:05⇒横窪沢小屋13:00

今日も恒例の3時起床。

昨夜トイレに起きたときは星空だったのだが、半分まどろみながらテントのジッパーを開けるとどんよりとした曇り空だった・・・ しかし、次の瞬間、はっと我に返ってそれが夢だったと気づいたw なんという茶番w

で、気を取り直して現実のジッパーを開けてみると、そこに広がっていたのは今山行で最も素晴らしい星空だった! オリオン座と天の川が素晴らしい。こればっかりは写真では伝えられないのでぜひ本物をw

朝食は中華三昧のみそ味。水の量を少なくしすぎて、ラーメンとも焼きそばともつかない麺類に豆板醤をぶっ掛けたような食べ物になってしまった。まぁ中華三昧がおいしいことはよく分かったのだが、水分が少ないゆえに味が濃すぎて大変だったww


星空のもとテントを撤収し、今日は学生団体より若干遅れてスタートする。「今日も快晴か〜 楽しみだ♪」と思いながら樹林帯の登りをこなしたのだが、夜が明けてヘッドライトを消す頃には雲が増えていた。とりあえず岩頭で休憩とする。


その後しばらく後方の聖岳のガスはなかなか取れなかったが、南岳直下に差し掛かるあたりで山頂部も姿を現した。

聖岳は肩の広がりが立派が立派な山である。


南岳まで上がると今度は富士山と雲海が出迎えてくれた。ここからはほどほどのアップダウンを伴いながら上河内岳の肩に至る。天気は曇りがちだが、視程はまずまず。振り返ると赤石岳悪沢岳も見える。

上河内岳の肩からは荷物を置いてカメラと携帯だけを持って上河内岳を往復する。

山頂は時折ガスがかかるものの、南ア南部の三大ピークである悪沢岳赤石岳聖岳の全てを展望することができた。

あの山々を全て越えてきたのかと思うと感慨深い。例によって45分間山頂にとどまって写真を撮りまくった。が、曇り空だったので後で見直してみると記録写真としてはおkなものの、山岳写真的には特に大したものがなかったというオチw
携帯は電波は若干立ったもののメールは送信できなかった。(その後縦走路で少し下ったところで試してみるとつながった)

その後ガスが濃くなったところで今縦走最後のピークを後にした。ここから終点の白樺荘までは2000mの下りになる。


亀甲状土の平地は少し楽しみにしていたのだが、後方に見えるはずの上河内岳はガスで見えず。晴れたらいい感じの場所なんだろうな〜

茶臼小屋への分岐を下ると、すぐに樹林帯に入る。これで南アともお別れだ。樹林帯に入る直前に「さよーならー」と稜線に向かって2回ほど叫んだのはここだけの話であるw

茶臼小屋には分岐から下って数分で到着する。ザックを外に置いて、トイレと行動食休憩をとる。小屋で今夜飲む日本酒パックだけを買ってすぐに出発するつもりだったのだが、なんと小屋のスタッフの方がお茶とようかんを持ってきてくれた。なんか南ア南部サービス良すぎw ほんでもってそのスタッフの方とまた話が合って1時間半ほど立ち話www なんだか鈍行道草おしゃべり山行になってきたぞ・・・

他のお客さん(それも日本語を流暢に話す外人さんw)がやってきたところで、下り始めることにする。コースタイムは2時間であるが、実際にはそれよりも短いとのことだった。

歩き始めてすぐに地面の湿った樹林帯に入る。岩や木の根は滑りやすいので注意しながら歩く。道は恐れていたほど急ではなく、農鳥岳〜大門沢小屋の道に比べると格段に歩きやすい。途中数分の小休止を挟みながらどんどん下っていく。ガスを抜けると太陽光が樹間から差し込むようになり、標高を下げるにつれて徐々に下界らしい暑さが戻ってくる。

痩せ尾根に差し掛かると、横窪沢小屋は目前だ。最後の下りを歩きながら小屋の赤い屋根が見えてくる。


とーちゃーくw


9月からは小屋の向かって右側の部分が冬季小屋として無料開放されている。雰囲気からして誰もいない予感満点だったのだが、扉を開けて覗いてみるとやはり誰もいないw 小屋内は土間?を挟んで4畳ぐらいのスペースが2つあり、とても清潔。(ついこの間までは冬季小屋は別棟の旧小屋だったが、5月頃にそれを取り壊して新小屋の一部開放に切り替えたらしい)

今日も長い下りを歩いてきたので、まずは登山靴を脱いでサンダルに履き替えるw

小屋の窓は扉が締め切られていて暗かったので、とりあえず扉を開けることにする。扉はフラップ式?のような形状になっていて、最初は「ん?どうするの?」と思ったのだが、近くにつっかえ棒が置いてあったのに気づき、「あぁなるほどw」という具合にそれを差し込んで窓を開ける。2箇所ある扉を開けると小屋内はすっかり明るくなった。(電灯はありますが無人期は発電機が止まっているので点きませんw)


内部はこんな感じ。結構広い。


とりあえず荷物をほどいて一通り持ち物を整理し、レインウェアなどを紐にかけておく。

水場はシーズン中は蛇口で供給しているようだが、この時期はカバーがかけられていて使えない。水自体は横窪沢本流をズドドドド!という具合に大量に流れているのだが、上流に茶臼小屋があるので煮沸必須だろうし、その水はなるべく避けたい。で、結局、シーズン中の水場に引かれているパイプをしばらくたどることで、水場にたどり着いた。

(行き方:最初に木をバツ印にして「立入禁止」となっているところをすり抜けます。その先にパイプと並行して踏み後が続いています。踏み跡ははっきりしているので歩きやすいです。途中横窪沢本流を渡渉しますので、登山靴の場合は飛び石渡渉か脱いでジャブジャブ、もしくはサンダルで行きましょう。水場の水流は細いので時期によっては涸れるかもしれません。立入禁止を抜けることになるのであくまで自己責任でお願いします。)

水を確保すれば、テントを張る必要もないため、ずいぶんと暇になる。ラジオを聴きながら、昨日と同様にホットレモンを作ってビスケットをかじりながら、しばしくつろぐ。

明日は2時40分に起きるつもりだったので、夕食も早めにの16時頃に食べた。アルファ米・レトルトのちらし寿司・お吸い物。初めて試みるメニューだったので期待していたのだが、大外れだったw 食べられなくはないがおいしくないorz どうもご飯ものはハズレが多いというか、どうにも付け合せに困る。やっぱり次回の山行からはパスタ主軸だな、こりゃ。

この時間まで通過者を含めて自分以外には誰も来ることがなかった。そうなれば今夜は独り占めだ。やったぜw

その後は例によって飲み飲み。一日歩いた後に飲む酒はやはりうまいw 下界から持ち込んで温存していた「堅揚げポテト ブラックペッパー」をついにここで開けたのだが、結局食べきれずに半分ほどを包んで持って帰ることになったw

外がまだしっかり明るいが、明日は早いので早々と就寝にする。換気用の隙間だけを残して窓を閉めて小屋内を暗くして、眠りについた。寝つきがイマイチだったので19時頃に就寝。

寝巻きはいつもフリース上下と長袖シャツなのだが、標高もだいぶ下がったし小屋内は熱がこもる気がしたので、今夜は下山セットの薄手の化繊ズボンと行動用のつもりで持ってきて結局ここまで未使用だった半袖の化繊シャツにした。その上寝袋は広げて上から布団的にかぶせるだけ。・・・結論:最初は良かったけど途中から寒くて何度か目が覚めたw でも普通に寝れるレベルだったし面倒だったのでそのまま朝までw

登山者の中には下山するまでずっと同じ服を着たままという人も多いらしいが、自分の場合はそれはちょっと御免なので、重量には目を瞑ってかなり快適性重視にしている。行動着(化繊ズボン・化繊T2枚)と寝巻き(フリースズボン・綿長袖T1枚)を用意して、汚して良い服とリラックスするための服を着まわしている。パンツも割と多めに。加えて下山セット(薄めの化繊ズボン・綿半袖T・温泉用タオル)を持っている。そんなわけで衣類はその気になれば1kgは削れるんだけど、1kg軽量化するぐらいなら頑張って担いで快適性を求めたい。

食料も同じ。お金をかけて、味と見た目を我慢すれば、フリーズドライ食品で軽量化ができる。しかし、スーパーで売っているパスタとレトルト食品なら、確かに重量は増えるけれどとってもおいしい夕食が食べられる。

下界と違っ山では快適性をお金で買うことはできない。余計な荷物を担ぎ上げる根気こそが快適性を買うための通貨になる。