旅と自然

長くなったから結論を先に書く。


いろいろな趣味に手を出して分かってきたことなのだが、自分は確かに「鉄道」や「スキー」も好きだが、それ以上に「旅」と「自然」が好きだということに最近気がついた。

その点で、「登山」は両者を融合させた究極的な形だと思うわけである。

そして、高3で伊吹山に登った瞬間に、登山にハマり込むことはある意味必然だったのだ。そして、伊吹山に登ることも、スキーによって山に親しみと興味を持っていた以上、必然であった。


歩いて、食って、寝て、ウ○コして、という旅としての基本的な要素だけで構成されていて、なおかつ山は自然そのものである。景色はダイナミックの極みだし、四季や天気による変化も下界よりはるかに大きい。鉄道路線はだいたいどの季節に通っても似たような景色を目にするが、山はそうではない。自然との距離が近いから、春や秋の変化の激しい時期なら一週間の違いさえ顕著に現れる。

鉄道は一度乗れば「クリアした」「乗り潰した」できくが、山において「クリア」は永遠にない。もしそうだとすれば、2年間で武奈ヶ岳に8回も登頂するようなバカはしない。伊吹山に百回以上登ってるじーさんだっている。それは山が日々変化する自然と密着したものであるからに他ならない。

(下界を歩く方が本質的だというツッコミがありそうだが、それは正しいと思う。しかし、昨今の事情では自然を味わいながらゆったり歩いて旅をすることは難しいだろう。それゆえ山に逃げて旅をしているとも言えるし、やはり山の自然のダイナミックさに勝るものは無いのだ。)

ところで、自分は年齢の割には歩くのが遅い。普通の荷物で中高年のじっさまばっさまと同等かわずかに速いぐらいで、テント装備をフルに担ぐと大幅に遅れてしまう。元々体力が無い上に、しんどくないレベルでゆっくり歩いているから当然といえば当然である。

これは基本的にはマイナスになる要素ではなく、むしろそのおかげでスローな「山旅」が楽しめていると思う。仮にもっと体力があったら、今の自分が5日で歩いているコースを4日で歩けるかもしれないが、それは登山の楽しみを削ぐことになると思う。なぜなら、「せっかく5日分楽しめるコースを4日間にしてしまうのはもったいない」と感じるのだ。もっと言えば、せっかく山の上に来てるんだから、時間的にも体力的にもゆとりを持つべきであって、下界と同じような行動をするのは理屈に合わないと思うのである。


旅の本質。自然の本質。縦走登山にはそれらの全てがつまっている! せっかくの縦走であれば、急ぐことは無い。その魅力を100%享受するべし!




(で、以下の分が、↑に至るまでの導入文w 主に鉄分の濃い話)

そんな自分の昔の趣味は、鉄道だった。

過去形だからいまはそうではないのかといえば、鉄道自体は今も趣味である。が、登山、写真、スキーの次の第4位になってしまったので、比重が相当に下がってしまったのだ。今は主に登山のアクセス手段などとしてその知識を生かしているし、鉄道自体が好きなおかげで18キップ旅行に特有の長時間乗車や乗り換えも苦にならない。

同じ「鉄道好き」でも、いろいろな種類があり、「撮り鉄」とか「乗り鉄」とか「模型好き」とか「SL専門」とかがあるのだが、自分はいわゆる「乗り鉄」だった。要するに、景色がきれいな路線や、珍しい車両に乗れる路線を探して、それを乗りに行くタイプの鉄道ファンだ。


乗り鉄の中でも都市部の私鉄の乗り潰しが好きな人とか、ローカル線の乗り潰しが好きな人とかで好みが分かれたりしてなかなか奥が深い世界なのだが、自分は生粋の「ローカル線派」でその中でも非電化線が好きだった。

中2は「只見線」、中3は「四国一周」、高1は「九州半周」、高2は「山陰本線全線乗車」などを、いずれも1泊〜3泊で夏の18キップシーズンにやっていた。他にも日帰りを含めれば枚挙に暇がないが、「高山本線全線乗車」は日帰りの中では最も印象に残った旅行だ。

翌年、高3で登山と出会うことで鉄道の比重は一気に下がるわけだが、そうなった理由は登山以外にもあると思う。というのは、東京以西の魅力あるローカル線は高2まで出一通り乗ってしまっていたからだ。東京以東の東北・北海道方面は今も未踏の地だが、アクセスに時間とカネがかかるし、登山が大きなウェイトを占める今、鉄道のためだけに行くつもりはない。

大1(去年)からは、本格的に登山にハマり、大型ザックをお供に中央本線を往復することが多くなった。それと、KEKに行ったときは、KEKから支給された新幹線のキップを払い戻して、18キップで東海道線を延々乗り継いで行くことで、鈍行の旅を楽しめたばかりか1万円以上儲けるというワザを繰り出したりもした。(新幹線で米原〜東京が2時間ちょっとというのは、早すぎてかえってしんどい。6時間・乗り換え5回ぐらいの在来線のスピードが旅人としては一番しっくりくる。) 鉄道自体はやはり楽しんで乗っていたが、やはり登山やKEKがメインであり、鉄道はあくまでサブだった。要するに、中央本線東海道線のためだけに旅行をするようなことは無かったということだ。

この頃から、スキーの比重も次第に下がっていき、3月末で決定打が打たれた。昨シーズンはスポーツスキーの要素をわずかに残していたが、これからは、スキー学校でのお仕事に主軸を置きながらも、エンジョイスキーとバックカントリースキースノーシューイングの方向性になるだろう。中3以来、点数やタイムを競うスキーに傾倒していたが、これからは山主体や遊び主体のスタイルで純粋に楽しむスキーに回帰したいというわけだ。もっとも、スキーは登山に比べて桁違いにお金がかかるからあんまりやれないと思うけど。


それで結局分かったのが、自分は確かに「鉄道」や「スキー」も好きだが、それ以上に「旅」と「自然」が好きであるということ。

そして、高3で伊吹山に登った瞬間に、登山にハマり込むことはある意味必然だったのだ。そして、伊吹山に登ることも、スキーによって山に親しみと興味を持っていた以上、必然であった。



余談だが、東北と北海道について。

もし登山で東北地方を訪れるときがあれば(飯豊、朝日、八甲田、八幡平など)、登山に支障をきたさない範囲で、良さそうな路線があれば少し大回りしたりすることはあるかもしれない。逆に言えば、東北地方の鉄道路線は自分にとってはその程度の存在だ。

一方、北海道はやはり別格である。あまり先のことを心配するとよろしくないのかもしれないが、4回生の6月〜7月頃に「北海道巡り」をやってみたいと思っている。山巡りを主体に、テント泊や旅館泊をしながら、下界の観光名所も巡ったりしてみたいのだ。もし行くとすれば、寝台特急日本海」(往路)と「トワイライトエクスプレス」(復路)の乗車と、北海道内の非電化路線を一通り乗ることはぜひともやりたい。現地の山行と観光がメインになったとはいえ、やはり鉄道も好きなのだ。行くからには乗りたい。北海道は鉄道も含めて全て別格なのだ。(北海道はもともと気候・地理・文化ともに古来の日本本土とは様相を異にするわけで、別格であるのはある意味当然といえる) ま、これもおカネがあればの話だけどw




・・・ふぅ、久しぶりに語ったぜ。w