『コスモス』

Cosmos 上

Cosmos 上

Cosmos

Cosmos

上が日本語版の「上」、下が英語版(通し1冊)です。今回読んだのは日本語版です。図書館で借りて読みました。

この本の著者のカール・セーガン博士は、SETI計画(地球外知的生命体探査計画)をはじめとする宇宙生物学・生命科学の研究や、この「コスモス」などの多数の著書で有名です。一般人への科学の普及にも積極的に携わったことでもよく知られています。

残念ながら、セーガン博士は1996年に死去されました。しかし、その死後もなお、宇宙科学を中心に大きな影響力を持ち続ける、20世紀でも指折りの偉大な研究者です。


この「コスモス」はまさに絶品です。

自分は読む速度は非常に遅いタチですが、あまりに面白いので毎日何時間も読んで、結局1週間ちょっとでペロリと読み終わってしまいました。

この本は、古代からの科学の発展の歴史、太陽系の成り立ち、そして広大な宇宙の世界まで、広大なトピックの数々をわずか文庫本2冊に纏め上げて紹介しています。宇宙と科学にまつわるありとあらゆる分野の面白さに触れることができます。難しい知識を必要とすることがないので文系の人でも十分読めますし、高校レベルの物理と生物の理解があれば、いろいろなことを考えて掘り下げながら読んでいけるのでなお良いです。

イデアが普遍的で、刊行から25年以上たっても全く古さを感じさせないのも、セーガン博士のすごいところです。

ただ、ボイジャー木星から土星に向かう最中に書かれていたので、土星からは情報が少ないのは事実です。とはいっても、この本を読んだ上で、いまやWikipediaなどで手軽に得られる豊富な資料を見れば、そのデータからセーガン博士がどんな展望を持つだろうかは自然と分かってくるだろうというものです。

そして、「この宇宙には何千何万もの知的生命体がいる。それは人類の仲間だ。」という希望を持たせてくれる本でもあります。

宇宙に興味がある人にはぜひとも無条件にお勧めしたい本です。

ぜひ自身でページをめくりながらセーガン博士の言葉を味わってください。