聖岳東尾根 5/16・3日目(→聖沢一般ルート→椹島)

聖平小屋5:10→滝見台8:10/8:20→乗越9:10/9:25→林道11:30/11:40→椹島11:25

今日は一般ルートを降りるだけ。・・・そう思っていた時期が、私にもありましたw

太陽が昇るとともに出発するも、北面についたルートであったため雪が多く、早速ルートをロストしてしまう。仕方がないので、沢沿いに飛び石しながら下っていくうちに、登山道らしきものと再会し、復帰する。切通しを行けばいいので、簡単に思えるが、かさ上げ効果がいかんなく発揮され、ヤブとのバトルになる。そして、ロストする。これが幾度となく繰り返されるw

特に、トラバース地帯は特に悪かった。沢筋をトラバースするときが特にロストしやすく、読図をしながら適当に歩いているうちに、テープや切通しに出会うことがしばしばである。

また、この日はつぼ足とストックで下っていたのだが、一箇所だけヤバめの雪壁のトラバース(傾斜60度以上、その下は岩の露出した深い沢)があったため、アイゼンとピッケルのフル装備に切り替えて、カニの横ばいで通過することになった。

残雪量が少なくなれば、道は分かりやすくなってくる。締まった雪で歩きやすかったこと、踏み抜き地獄にならなかったこと、そして好天だったことは幸いだった。

2000m?ぐらいのポイントまで、CTでは2時間だが、4時間もかかってしまった。そこから下は、南面に移るため、残雪は一切なし。太陽の当たり方で雪の残り方はまったく違うのだ。

快適な夏道を下っていくと、徐々に新緑が復活してくる。そして、やがてまぶしいグリーンシャワーが出迎えてくれる。あぁ、これこそ自分が心から望んでいた「緑」だ。素晴らしい、本当に素晴らしい・・・

そして林道に降り立つ。周囲の山々は若葉の輝きに満ちあふれていた。どこに目を向けても、緑、緑、緑。

ゆったりとした気持ちで、林道を歩いていった。

椹島まであと少しというところまで来たとき、後ろからマイクロバスが近づいてきた。3日ぶりの人との再会。不思議と感慨は沸かなかった。観光客とおぼしき人々をいっぱいに乗せたそのバスは、ごとごとと音を立てながら、自分を追い抜いていった。

暫く行くと、左手に赤石岳が見える展望スポット(牛首峠)にたどり着く。さっきのマイクロバスが止まって、観光客たちがぞろぞろと降りていた。そこに近づく、重装備の自分・・・

無論、注目されないわけがないw 話しかけられないわけがないww

「トザンシャの標本が通りますよ〜」

そんなおとぼけさんな言葉を振りまきながら、新緑のトレイルを椹島へと下っていったのであった。