厳冬期の南八ヶ岳 細かいトピックス
大絶賛追記中!
- 今回は赤岳に3回登頂w(文三郎尾根往復、地蔵尾根往復、横岳縦走周回)
- 携帯電話
- 街が近い山なので、稜線は大体つながります。赤岳天望荘は下界並みの感度でした。中腹の赤岳鉱泉だと、メールの送受信が精一杯で電話はほぼ無理。運が良ければWEBがかろうじてできる程度。(いずれもau・WINの場合) 電話は赤岳鉱泉にコイン式があります。
- 予備電池を必ず持ち、携帯と一緒にポケットに入れて暖めておきましょう。万一滑落してザックを失ったりしたときに、最終手段がちゃんと懐の中に残るように、という意味もあります。
- 予備電池のない人は、山に入ったら緊急時以外は使わないことをオススメします。予備電池はauだとポイントがあれば実質無料で手に入ったはずです。
- 使用中以外は電源を切るのは常識ということでw
- 寒さの話
- 折りしもこの冬一番の寒波が襲来中で、雪こそそれほど降らなかったものの、内陸部なので冷え込みがすごい!
- 金糞岳に続いて、マイ温度計を持参しましたw 赤岳鉱泉(ベースキャンプ)では夜明け前で氷点下15度前後、昼間でも終始氷点下10度以下。昼間の稜線は氷点下20度でした。風速20mとすると、体感気温は氷点下40度!(なお、稜線は夜には氷点下30度近くまで冷え込んだそうです)
- 相当寒いだろうなぁ・・・と恐れていたのですが、新投入の冬山用ジャケットのおかげか、体にはほとんど寒さは感じず!(むしろスーツとコートで大学のキャンパスを歩く方が寒いw) 手足と顔の冷たさは想像通りでしたw
- ただ、これだけ寒いと、雪はサラサラのパウダー状になっており、軽く払うだけで落ちてしまいます。積雪があってラッセルになっても、とても軽い雪なので、それほど苦労しません。ということで、かなり快適ですw(滋賀県や日本海側の低山なんかだと、雪はかなり湿り気があって気温も高いため、付着した途端に溶けて装備を濡らしてしまいます。正直言って、-5度〜5度の温度帯は魔の領域です。マジで。)
- 気候の話
- 八ヶ岳のある長野県中部以南の地域は内陸性気候になり、年間を通して比較的乾燥した気候になることで知られています。そのため、一般的な冬型の気圧配置でも天気の崩れは小さく(あくまで比較論ですが;)、雪が降るのは主に南岸低気圧などのときになります。この地域は冬でも平地には雪はほとんどありませんが、八ヶ岳のような高地では降っても溶けないためじわじわと雪が増え、3月頃に最大になります。降雪より冷え込みが厳しいのが冬の八ヶ岳や南アの特徴と言えそうです。(まぁ北アだと両方ですがw)
- 今回行ったときは、直前の南岸低気圧では50cm以上の降雪があったらしいです。一方、滞在中は強い冬型と寒波のため、雲や霧が出て、風はそこそこ吹いたものの、雪はそれほど降らず、一週間でせいぜい30cm程度。
- もともとスキーヤーだったため、日本海側の豪雪地帯(白馬・飯山・野沢温泉など)に行くことが多く、気候の違いを強く感じます。
- 装備リスト
- ベース:アンダーアーマーのコールドギア(6年前に競技スキー用に買ったやつw バリバリ現役ですww)
- ミドル:上は夏用の化繊シャツとユニクロのフリース、下はユニクロのジャージ(裏地がメッシュで外側はシャリシャリ?のパンツ)
- アウター:モンベルのフレネイパーカーとフレネイパンツ(ディナリジャケットなどと同等)
- その他、冬靴・帽子・目出帽・サングラス・ゴーグル・グローブなど一揃い。
- ベースとアウターは生命線なのでしっかりしたもの、ミドルはとりあえず化繊のものであればいい、という考え方。
- これで氷点下20度&暴風雪の稜線でも無問題でした。メインのウェア類もさることながら、顔周りの防寒・防風・防雪がカギです。(このあたりはスキーの経験が役に立ちました。ただ、運動量が全く別次元なので、呼気による曇りや凍結には注意)
- ただ、手足は終始冷たくて、感覚が無くなりかけることもありました・・・ 靴紐は、締めすぎると血行不良になり、緩いと踏ん張りがきかないということで、調整が難しいところです。
- テント生活の話
- テント内は意外に暖かく、夜中でも氷点下5度前後。
- とはいえ、コンロを焚かない限り0度より上がることがないため、水分を含むものは何でも凍る世界w 湿ったタオルが凍るのはもちろん、えのきは束が丸ごと凍るし、白ネギはただの棒になりますw その代わり、生の豚肉を持ち込んでも余裕でした。
- 夕食は毎日鍋料理w しょうゆとんこつ鍋2回、赤から鍋2回、辛ラーメン鍋1回(停滞日メニュー) 朝食は鍋の残りつゆでラーメン。ペミカンは未導入ですww
- 寝床は、銀マットの上に、使っていないジャケットやザックカバーなどを敷き詰めて、さらにその上からエアマットの3重構造。あとは、ダウンジャケットを着て、寝袋に入っていれば、特に寒くはありませんでした。
- ちなみに、寝袋はモンベルのダウンハガー#2。快適温度は氷点下4度までということになっているが、ウェアやマット、それに首周りのコードの締め方の方が重要だと思う。出発前に一番心配していたのが寝袋だったのだが、意外と大丈夫だった、というのが正直な感触。
- ただ、問題はお尻。あれだけマットを対策しても雪に体温が奪われ、何度も寝返りをうっていましたw
- スリーシーズンのように、ノンストップで爆睡というわけにはいきませんでしたが、まぁ普通に寝られました。
- それより問題は結露。朝になるとテントの内張りはもちろん、シュラフカバーの内側にまでびっしりと霜が。(というより細かい氷の粒) ダウンは濡らすと役に立たないので、寝袋の取り扱いには神経を遣いました。
- 寒さの感じ方には個人差も大きいので、上記はあくまで参考に。
- 今回の参考で、アイゼンワーク・ピッケルワークをだいぶ体得しました。
- アイゼンワークは、まずは初日にアイスキャンデーの周囲の斜面で練習させてもらいました。(アイスキャンデーの入場料は通常1000円ですが、「歩くだけなら」ということで500円にしてくれましたw)
- 無雪期にもいつもやっているフラットフッティングはアイゼンを履いても同じ。前爪で蹴り込んで立ち込む動作のときは、雪壁には寄りかからず、重心が鉛直になるようにしなければならない。
- 現場では、急な斜面を上り下りすることは結構あり、前爪の蹴り込みは多用しました。ちなみに、よく言われるアイゼンの引っ掛けは、自分は一度もやりませんでしたw
- ピッケル。文三郎尾根・地蔵尾根だと、急な場所の通過のときに杖っぽく使った程度。あとは写真撮影のときに雪に差し込んで簡易確保?に使ったり。(まぁこれの厄介になることは一度もなかったですし、そもそも落ちてヤバいようなところでは撮影してませんがw) 横岳縦走では、雪壁のトラバースなどで打ち込んで手がかりにすることが数回ありました。滑落停止技術は、シリセードを除けば、文三郎尾根の下りで新雪に足を取られたときに初期制動をした1回だけ。(ピッケルなしでも止まりそうなぐらいでしたがw)
- 急な下りでは真正面はダメ。横向きで山側にピッケルを突きながら下るのが楽。場所によっては後向きでクライムダウン。これは無雪期でも同じですね。