比良山系第9回(坊村〜白滝谷〜打見山〜蓬莱駅)

坊村9:50⇒牛コバ10:30/10:40⇒夫婦滝12:10/12:30⇒打見山13:45/14:15⇒クロトノハゲ14:40⇒天狗杉15:05/15:25⇒志賀駅16:15

これまで比良は、湖西線からのアクセスが便利だったゆえ、琵琶湖側(いわゆる「表側」)からしか登ったことがなかった。

そこで、今回は安曇川側の「裏側」、坊村からスタートした。
背中の荷物は11kg。カメラと多めの水を持ったので、日帰りとしてはこれでも重いほうだが、テント泊の22kgのデカザックに比べれば何も背負ってないような快適さだ。軽いって素晴らしい!!!

さて、今回の目的は3つ:

  • 夏は稜線ばかりだったので、沢の雰囲気を味わう
  • びわ湖バレイのロープウェイ工事現場を見る
  • あわよくば、稜線からの展望を楽しむ

結論から言うと、上の2つは達成された。展望についてはあいにくガスでさっぱりだったのが残念。まぁ、比良ぐらいならまた近々来ればいい! ちなみに天気がよければこんな感じ↓


さて、今回は白滝谷を沢沿いに詰めるコースを歩いたが、ここは総じて危険度が高い。

途中で渡渉用の橋が崩壊している部分が1箇所、登山道崩壊によりザレた土と岩の崖を3mほどだけよじ登る場所が1箇所ある。渡渉は少しだけ上に行けば一応石で渡れる場所があり、ザレ場の登りは岩のホールドが少しだけあるので、三点支持でよじ登ることが何とか可能だ。仮に失敗してもずり落ちてやり直しになるだけだが、無理やりはい上がろうとしても徒労に終わるだろうし、危ないからやめたほうが良いw おとなしく一段ずつ登ろう。

他の全体的な整備状況も他の主要な登山道と比べるとあまり良くない。他のルートで問題がない人なら十分歩けるレベルではあるが、その点は十分注意して向かわれたし。

それらの点さえ気をつければ、このコースは静かに渓流沿いの山歩きを味わえる、とても良いコースだ。あいにく途中から雨に降られてしまったので、あまり良い写真は無いが、いくつか載せてみた。


緑と岩と渓流。それがこのコースの魅力。


しっとりとした沢沿いの樹林帯を行く。ハシゴは腐りかかっている部分も多いので注意。


自然のままの渓流美が残っている。


おまけ。だいぶ前に買うだけ買って放置していた、オコジョのストラップ。せっかくなので一緒に連れて行ってあげた。かわいい。

(写真は以上)

雨は途中から本降りになった。ちょうどいいタイミングで夫婦滝の休憩小屋にたどり着いたので、そこで雨宿り。止みそうな気配が無かったので、レインウェアなどをフル装備で出発。汁谷からはスキーコース上の舗装された道を行く。

笹平まで出てくると風が冷たかった。ガスに覆われて展望が利かなかったため、小女郎峠行きの予定を変更して、打見山回りでそのまま下山することにした。


打見山の手前に差し掛かったとき、あるパーティーから「ゴンドラって今日は動いてる?」というトンデモナイ質問をされた。「あの、今年はロープウェイの工事でゴンドラは止まってるんですよ・・・」と言うと、「え〜っ!」との返事。ゴンドラ頼みで来たために下山道も十分にご存知でなかったので、地図を見せて説明し、一緒に入り口まで案内させていただいた。時間が早かったのが幸いだった。自分はその後工事現場の見学をしてから同じ道を下ったが、天狗杉付近で再会した。そのまま追い抜いたが、無事に下山されたことを願う。

ということで、今年はびわ湖バレイのゴンドラは動いてません! ホームページにもしっかり書いてあるので、そういう点は事前にきちんと確認しましょう。比良山系に行かれる方、1000m級の低山といえどあなどることなかれ、「情報」と「計画」と「余裕」は大事な持ち物ですよ! そもそも、営業期間中でも強風で運休する場合だってあるので、少なくとも緊急時の下山路ぐらいは知っておくべきです。この点もどうかお忘れなく。


そんなこんなで打見山に到着。1103.6m

そして今回の目的のひとつ、工事現場の見学へ。


以前ホテルだったものは撤去されてガレキの山と化していたし、その周辺のレストランなども大体荷物置き場になっていたので近々撤去されるのだろう。噂によると山頂一帯を大リニューアルするんだとか。

一方、ゴンドラ駅はまだそのままだった。おそらく工事関係者の輸送に使っているのだろう。ロープウェイに架け変わる以上、これも消滅までカウントダウンの日々だ。

3年間も毎週スキーに通っていた人間としては、馴染みだった建物がなくなるのは寂しいものがあるが、あのへんの建物自体がすでに30年モノだから、建て替えとしてはちょっと遅すぎるぐらいだろう。そもそも関西近郊のスキー場であそこまで古臭い建物が残っていた事自体が今思えばすごい話だw

(ゴンドラの順番待ちで何度か通ることがあったが、ホテル周辺の地下通路なんかは結構凝った構造をしていて面白かった。ホテルのランチバイキングは結局一度も行けず、毎週ポテトかライスと持ち込みのパンで済ませていたものだ。そして、もちろんあのカプセルゴンドラは屈指の名物で、あるときはナイターを終えて暗闇の中ゴタゴタ揺られて下ったものだ。工事でいろいろなものが消えるが、週末の大混雑だけはきっと今後も名物であり続けるだろうw)

去年からはスキー学校の住み込みに切り替わって「卒業」したスキー場だが、中学・高校時代の思い出の詰まった場所で愛着がある。これから新しい設備を生かして繁盛してもらいたい。


打見山頂に戻り、行動食を食べながらガスが晴れないか粘った。雲がものすごいスピードで流れながら、一度だけかすかに青空が覗くのを見たが、数秒で白い雲に元通り埋め戻されてしまった。

下山を開始する。軽い荷物+ストックの組み合わせは、下山で最も役に立つことが分かった。スイスイと快適に下ることができる。スピードがストックなしの去年とは全く違う。コースタイムも去年に同じ場所を下山したときよりも格段に上がっている。(天狗杉で長めに休んだのでトータルだと一緒だけどw)


わずか2時間。あっという間に稜線から駅まで降りてきてしまった。(槍から上高地は長かったなぁ・・・) 後ろに稜線を振り返ると、まだ雲の中に隠れていた。おそらく高気圧がしっかり覆う明日までは晴れないだろう。

下山すればすぐ駅。表側はやはり便利だ。


今回は天気がイマイチだった。また来よう。