インハイ予選

今朝帰ってきました。バスを降りた場所で円になってあいさつをするときに、部長を新世代へとバトンタッチして、とうとう引退しました。1月中旬にはまだ国体予選が残っていますが、現役生としては最後の大会となりました。

今回のインハイ予選は、GS9位SL8位という残念な結果に終わりました。

しかし、その中でもSLは大健闘でした。

スキーのポール競技は、2本の異なるセットのコースを滑った合計タイムで競われます。1本目は振り幅の大きいながらも変則的でない普通のセットが組まれ、練習不足なのを逆に取って「この一本で最高の滑りを!」という気持ちで臨みました。無我夢中で滑った結果、奇跡の中間結果6位。このまま2本目でミスをしなければ、入賞できるところでした。

が、その2本目が運のツキでした。

2本目のコースは、1本目とがらっと変わり、全体的に縦長のスピードの出るコースが組まれました。一方で、あちこちに要注意のゲートが数多く仕掛けられ、縦長部分でスピードを出しすぎるとその後で罠にかかるというセットでもありました。

そうです。見事に引っかかったのです。

規則的な縦長のゲートに差し掛かったとき、「よし、順調にスピードが出てきたぞ。でもこの後だ。くるぞ、くるぞ・・・」と頭の中で唱えられる余裕はあり、心の準備はできていました。が、技術的には、そのときのスピードは予想以上のもので、すでに自分のスラロームのスピード限界を越えていました。頭の中では警報ランプがピカピカしていましたが、かといって減速するつもりも毛頭なく、そのまま一気にストレートゲートに入っていきました。スピードが出ていた上に、その部分の掘れ方が半端ではなかったのですが、ストレート自体は何とか切り抜けました。

バランスを崩しつつも、何とかその次のポールに入ったそのときのこと。

バツンッ!

という音と確かな足元の感触。内足がポールを通過できず、ポールを踏みつけてしまったのです。このままゴールしても、「片足不通過」という反則で失格になってしまいます。幸いにも転倒はしなかったので、大急ぎでキックバックをして引き返して改めて両足でポールの横を通過しなおし、再スタートしました。それでも最後まであきらめず、気を抜かずに全力で滑りきりました。

その後から滑ってくる1本目上位の選手も何人かが同じようなミスを犯したので、何とか入賞の望みが残るかと思ったのですが、1本目で自分より下位でも2本目ノーミスだった選手にはさすがに抜かさされ、最終的には8位に終わりました。逆に、あれだけのミスをしても2位しか順位を下げなかったのは、ある意味奇跡とも言えますが・・・

蛇足ですが、あのミスがなかった場合は5位入賞になるはずでした。

たらればの話を始めるとキリがないのでやめますが、結果とは関係なく、純粋に技術的な意味でそのレベルの滑りができるということは、とてもうれしいことですし、何よりも大きな自信になりました。部員のみんなに期待をかけて応援してもらえたこととか、レースの雰囲気を味わえたこととか、ミスはあっても自分なりに納得できる滑りをできたこととか、この10日間でしっかり部長としてみんなの信頼を取り戻して勝ち取れたこととか、大会終了後に部員全員の12人でムカデボーゲンを4本も滑ったこととか、順位とか結果よりも大事なことは本当にいっぱいあると思います。

負けても、失敗しても、冬合宿&大会のこの10日間の思い出、部長をやった1年間の思い出、スキー部での6年間の思い出、それは何よりもの宝物です。最後は最高の幸せで終われたのですから。

1年間こんなヤツに付き合ってくれたみんな、ありがとう!